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早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

ゴジラ (1954)

特撮

安倍首相がトランプと会談しましたね。世界のどのトップより早くトランプと会えたということは、トランプも日本をそれなりに大切に思ってくれているということだと思います。トランプはFacebookで安倍首相とgreat friendshipを開始したと言っています。少し安心しました。この土曜日から来週の日曜日まではThanksgivingで休みです!ボストンに行って高校の友人に会う予定です!帰って来た後は特に予定はなく、アメリカ人の多くは家に帰ってると思うので、静かにのんびりしていようかな(勉強もしなければです)と思っています。

さて、先週の土曜日に、Whitney Humanities CenterというYaleの持つ映画館で初代ゴジラの上演がありました!日本版の英語字幕で、ルームメートと二人で見て来ました。優しいですね。
↓初代ゴジラ自体はもう5回くらいは見ていますが、大画面で見るのは初めてだったのでテンションが上がりました!
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今回はゴジラの魅力と意義について書きたいと思います!!ちなみに、なぜYaleで今回ゴジラが上映されたかというと、ゴジラの造形モデルに使われた恐竜の絵が、Yaleの学生によって書かれたもので、今Peabody Museumにある巨大な壁画という繋がりがあるからです。これについては、Peabody Museumについてのセミナーのpaper課題でテーマに選び詳しく調べたので、また別の機会にご紹介します。
↓壁画「The Age of Reptiles」by Rudolph Zallinger (1946).
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初代ゴジラは1954年に作られました。ビキニ環礁沖の海底深くで独自の生態系を築き生きながらえていた恐竜が、度重なる水爆実験によって巨大な怪獣となり、住処を破壊され、日本に上陸し、東京を破壊し放射熱線を吐き、一人の科学者が自分の命を犠牲にして、水爆以上の破壊兵器オキシジェン・デストロイヤーで葬り去るという話です。

この映画を見ていると、本当に心が打たれ胸が痛み涙が出そうになるシーンがたくさんあります。僕は戦争を経験したことがなく、被爆した訳でもなく、知り合いにそのような人もいなく、本当の恐怖や痛みは想像することしかできませんが、ゴジラから、ゴジラに破壊された街から、ゴジラで被災する人々から、伝わって来る戦争の爪痕、核への恐怖、平和への祈り、言葉にするとうまく伝えられませんが、そう行った戦後9年の生々しさが押し寄せて来ます。

そういった感情的な部分を抑えて見ると、ゴジラは様々なシンボルとして分析できます。核、戦争、空爆、アメリカ、神、精霊、日本人兵の霊、自然、使徒、どれも当てはまります。僕はゴジラを人間の造り出したものの象徴として捉え、アメリカの大学を受験する際に提出するCommon Applicationのエッセイにしました。

映画で、ゴジラを最終的に殺すオキシジェン・デストロイヤーは科学兵器です。この技術を開発した芹沢博士は、自分が生きていればいつか必ずこの技術が悪の手(アメリカ)に渡ってしまうだろうと考え、ゴジラとともに自殺します。
↓芹沢博士。戦争によって顔に傷跡ができ眼帯で隠しています。酸素を研究していて偶然巨大なエネルギーを発見し、平和的に活用する方法を模索しているところでゴジラが来ました。
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人間の造り出した問題を、それを上回る技術で倒す、これはとても危険なことだと思います。その新たな技術が、新たな、より強いゴジラに生まれ変わってしまう可能性があるからです。しかし現実の世界では日々技術は進化を続け、問題が起きてもすぐに解決され、その繰り返しです。いつ何時ゴジラが現実に生まれるかわからない、そんな世界に我々は生きている、そう考えたとしても、もはや技術の進歩を止めるのは不可能です。福島の原発事故はゴジラの現れる前兆だとも言えます。各国が保有する大量の核兵器原発、ネットワーク、ソーシャルメディアゴジラになりうるものはたくさんあります。では人間はゴジラが現れるのをただ待つことしかできないのか、そんなことはないと思います。現れること自体は防げなくとも、事前に対策し、想定外とならないよう準備を整えることはできます。そしてそれは日本だけの問題ではなく、世界中が協力しあう必要があります。僕はそのための一歩として、アメリカの大学に行きたいと思いました。

そして今回ゴジラをアメリカ人と観ることができました。「こんなにseriousな映画だとは思わなかった」というのが第一声でした。シン・ゴジラに続き、2回も付き合って見てくれて感謝です。

初代ゴジラは、2年後アメリカに上陸しその後世界中で上映され有名になりました。しかしこの時ゴジラはアメリカの映画会社によって大きく改変されていました。映像は基本的に使いまわしていますが、アメリカ人記者がたまたま日本にいてゴジラの惨劇を目撃する、というストーリーとなり、核や戦争、アメリカを思わせるシーンは全カットされています。有名になったゴジラはこのアメリカ視点のゴジラでした。

初代ゴジラ、日本人なら絶対に見るべき映画だと思います。シン・ゴジラを見た方なら、なおさらです。見たことのない方も見たことのある方も是非もう一度見てみてください!