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早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

YALEの授業振り返り〜1年生秋学期編その3

YALEの授業振り返り

今学期履修した授業のまとめpart3です。Part1, part2もチェック!

ASTR255 Research methods: astrophysics
面白さ:4
学べる量:4
大変さ:3
教授:5
履修者7人、週3回50分の授業でした。2・3年生の物理/Astrophysicsメジャー向けのクラスでしたが教授に取りたいと言ったら問題なく履修できました。課題は週一回ペースくらいのproblem-setで、日々の予習は、数ページの教科書の該当箇所を読んで来ることでした。中間試験と期末試験がある予定でしたが、期末試験は教授がやっぱ無しにしようと言って無しになり、かわりに最後のpsetが少し重めになりました。

授業では、大きく分けて3つのテーマを扱いました。Optical Imaging, Radio Astronomy, そしてOptical Spectroscopyです。
それぞれについて、どのようにデータを取るか(望遠鏡の仕組みなど)、取得したデータをどのように復元するか(観測時にできてしまう誤差などをどのように取り除くかなど)、それらの根底にある理論、の3つを学習しました。宿題のpsetでは、授業で出て来た方法などを実際に使って、ハッブル宇宙望遠鏡やハワイにあるKeck望遠鏡などが取得した本物のデータを、Pythonのプログラミングコードを書きながらReduceしました。

Astrophysicsなので、一番の目的は宇宙に無数に存在する星や銀河を観測し、その位置、速度、年齢、状態などを突き止めることです。それらの情報から、物理の理論の証拠を発見したり、逆に理論の先をゆく事実が発覚したりします。星や銀河をどのように観測するかというと、電磁波をとらえます。電磁波は光と同義で、Optical ImagingとOptical Spectroscopyは可視光線周辺(数百nmくらい)を、Radio Astronomyはラジオ波(波長21cmくらい)を対象にします。波長によってエネルギーの強さや地球の大気からの影響の受けやすさが違うため、どこで観測するか、どのように観測するか、データを復元するために何をしなければならないか、どうする必要があるのか、などが違って来ます。それをこの授業では学べました。Spectroscopyは、光を屈折させて、その星から来る波長をより細かく調べることで、その星の大きさ、年齢、温度、地表の構成成分、近くにブラックホールがあるか、などを判別することができます。

感想は、やはりとても面白かったです。僕はもともと物理に一番興味があり、ウルトラマンの故郷である宇宙、ジャミラが怪獣になってしまった宇宙、スペースゴジラが生まれた宇宙、ダークマター、超弦定理、ブラックホール、など謎の多い世界を少し覗くたびにわくわくして来ました。高校までは物理の学習の他にホーキング博士の本を読んだり、村山斉先生やCaltechの教授の講演を聞いたり、NHK宇宙白熱教室を見たりしてすごい世界だなと感じていました。高校を卒業してからの半年間、東大の図書館で物理や数学の理論関係の本を色々借りて自習していたので、理系で取るなら理論よりは実践的なものを履修したいと思い、この授業をとりました。内容は、宿題などを解くとき分からなくなってググっても全然出てこなくて分からないような専門的な話題が多く、やはり履修して良かったと思いました。

アメリカの大学の授業の一般的な特徴として、授業で理論を学び宿題で手を動かすことによってより深く理解できる、というのがあると思います。これはやはり期末試験だけの日本とは大きく異なる点で、この授業でもその恩恵を感じました。授業を受けてわかった気になっても、宿題をしようとするとなかなかどうプログラムを書けば良いかなど分からず苦労したからです。

この授業が特に良かったのは、履修生が少なかったことと、教授がとても良い人だったことが挙げられると思います。理系の科目で一年生で受けると、いくらアメリカでも40人から300人くらいの大人数のクラスになることが多いのですが、このクラスはなぜか7人で、その分毎回の授業での教授との距離が近く、質問にも行きやすく、学生の事情に合わせて宿題の締め切りや配点なども変えてくれ、授業内容も学生の理解度や要望に対応させてくれました。学生も皆2年生以上で、僕には優しくしてくれ、また皆で集まってpsetを解き合うことも多々あり、頼もしかったです。教授は上記のように学生想いで柔軟なだけでなく、結構若く現役の研究者という感じで、毎授業とても情熱的に話してくれるので、それがとても良かったです。

ということで、宇宙への興味がまた広がったと思いますが、生涯研究したいかというとなかなかそうも思えません。何をmajorにするかは、まだ決められなさそうです…では!