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早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

英書の読み方のヒミツ〜セミナー編

全豪オープンフェデラーナダルが勝ち進んでいますね。時差の問題もありハイライトしか観ることができませんが、今後の展開が楽しみです!さて、今回はセミナーで課されるreadingの特徴や僕の行なっている読み方について書きたいと思います。

今学期の4つのセミナーはそれぞれ分野が違い、それに伴い課される文章の構成や書かれ方も違うので面白いです。その分読みながらしなければならないことや読んだ後に考えるべきことも異なってくるので、求められていることに速く対応しなければと思います。どのセミナーも最初の2回は終わったので、最初に課されたreadingを例に相違点を考えて見たいと思います。

1. 自然科学
Culture and Human Evolutionでは、最初は進化について生物学的側面から扱います。ということで、初回はダーウィンのかの有名な『種の起源』でした。まだDNAの理論もなく、全ての動物は神様が作りそのまま変わらずにいるというのが普通の考え方だった時代に、進化論を思いつきそれをここまで論理的に説明できるのは本当に天才だと感じました。この本についてセミナーで問われたのは、内容とともに、各章の存在意義や、なぜ触れられているのか一見わかりにくい箇所の意義でした。僕は各章で何がどのように言われているのかはメモしていましたが、それがなぜ、どの流れの中の何を説明するためにあるのかについてはあまり考えていませんでした。後者はただ読むだけでなく、天才的な筆者の意図を考えながら読まなければ、そして当時常識であっただろう認識を想像しなければ、わからないことです。加えて、もう少し筆者が引用する具体例についてもメモして意識を向けた方がセミナーで発言する時に証拠として提示できると思います。
kindle版は無料なので是非。第1章から想像とは違う展開です。

2. 人文科学
Minorities in JapanのreadingはAnthropologist (文化人類学者)が書いたものが多いです。今の所、そもそもマイノリティとは何か、日本人と認識される定義とは何か、といったことについて扱っています。この授業では、授業の前日までに宿題のリーディングを受けて、セミナーで議論できそうな疑問をクラスのWebページに挙げることになっています。リーディング自体は、筆者のポイントやその根拠をメモしておくだけで良いのでそこまで難しくありません。そのメモを元に、掘り下げられそうなトピックを考え議題として提案します。セミナー内ではリーディングの内容に関する質問と、その場で考える質問の両方があり、後者では日本人であることが若干有利に働いているかなと思います。

Islam in the United Statesは小説や歴史書など様々な分野の本が課題です。まだあまりセミナーでの議論がないので何を求められるかはよくわかりません。内容がアメリカ、イスラム教、奴隷制、黒人など、アメリカでは「小学校の時から色々習ったトピックで常識」のような部分が多いので、本でも授業でも、事前にある程度予習したり、教授に質問しに行く必要がありそうです。例えば次の授業までの課題は「トマス・ジェファーソンコーランを持っていたかもしれない」と主張する本ですが、議論について行くためにはジェファーソンが何者なのか、どのような立ち位置なのか、その頃の歴史などについてある程度知っていなければなりません。逆に言うと、イスラム教、奴隷制、黒人差別、など中高で学習して知った気になっていた事柄について知らなかったことがたくさん出てくるので面白いです。

3. 政治科学
Causes of Warはpolitical scientist (政治学者?)の論文を読みます。読んでみて、とても理路整然としていることに驚きました。最初に自分の主張する説を挙げ、なぜ既存の説では不十分か論理的に説明し、その後自分の説を例や計算を使用しながら立証するスタイルで、政治学的な単語が多くちょくちょく調べなければならないことを除けば、非常にわかりやすいシンプルな文章です。戦争はとても複雑で人の性質に深く関係しているというイメージがあったので、原因をある意味科学的に、論理的に突き止めているのが面白かったです。授業では、最初に文章を読んでみて疑問は何かあるか聞かれ、その後は筆者の主張する説についてどのような例が挙げられどのように立証されていたか聞かれました。そこからは、学生からしかしこの場合は、、こういう風に考えたらそれは成り立たないのでは、、というような疑問や意見が出て授業が進んでいきました。このreadingでは、筆者の主張を理解するとともに、それを批判的に評価して疑問点や反証の可能性を考える必要があると思います。同時に、Law Schoolの学生も履修しているせいか授業中に飛び交う単語が難しく、もう一度SAT wordsを復習しなければ、、という感じです。

あるセミナーの課題図書を読んでから他のセミナーの本を読むと全く論理的でないように思えてきたり、逆に具体例に欠けているように思えたりと、各セミナーで全く種類の異なる本を読めるのでとても面白い春学期になりそうです。どのセミナーも毎週150~200ページ、合計して週600~800ページは読むことになるので大変だとは思いますが、頑張っていきたいです。では!