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早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

イスラムは宗教?

授業 米国大学 アメリカ

今世界で起きている問題といえば?

戦争、紛争、環境破壊、色々ありますが、特に最近宗教衝突は大きな問題になっていますね。オバマ元大統領やトランプ大統領がイスラム圏の7カ国からの移民を制限したのもムスリムのテロリストからアメリカを護るためです。

他にアメリカの歴史の中で問題になったこととしてすぐに思い浮かぶのは公民権運動ではないでしょうか。人種のるつぼであるアメリカで起こるのは当然とも言える人種問題と宗教問題、どちらも高校でも勉強しました。

英語でキング牧師などアメリカの公民権運動、世界史でドイツのユダヤ人迫害、日本史で日本の戦中の皇民化運動。地理でイスラム教、倫理でキリスト教オウム真理教、世界史でユダヤ教、政治経済でイスラム国。

人種も宗教も世界の問題としてすぐに思い浮かぶものの、その二つの関連性についてはあまり考えたことはありませんでした。今受けているIslam in the United Statesでは、実は公民権運動や黒人とイスラム教は深く関係していたこと、もはやイスラムは宗教ではなく人種の一種とも見られるようになっていること、について議論しています。

イスラム教徒といえば中東で日本からは遠く離れた国にいる。アメリカには移民できているかもしれないが白人より後でアジア人より前。僕にとってイスラム教はそのようなイメージでした。まず先学期、友人や授業を通じて、中東が思っていたより日本に近いこと(アジアの一部であるという実感)、マレーシアなどでも宗教紛争があったこと、などを知りました。それでも、イスラムといえば中東というイメージは変わらず、またアメリカ視点からはキリスト教国家に外からやって来る存在であり、国内のイスラム教について特に考えを馳せたことはありませんでした。

今学期の授業では、まずアメリカ開拓時代にアフリカから奴隷として連れてこられた黒人にたくさんイスラム教徒がいたこと、今もモロッコなどはイスラム教徒が多数で、難民にもたくさんイスラム教徒がいるということを、それぞれを描いた本や映画を通じて知りました。アメリカが開拓されていた時代には、ヨーロッパではまだイスラムの巨大帝国オスマンの恐怖、キリスト教絶対優位の考えが浸透していたので、白人(=ヨーロッパルーツ、キリスト教徒)のイスラム教徒に対する嫌悪感や恐怖感、優越感には長い歴史があるわけです。

そして、公民権運動の時代にはイスラムが黒人の還る場所、理想郷として啓蒙されました。特に有名なのはマルコムXです。彼はアメリカという黒人が差別される白人社会、ディストピアに対し黒人のルーツであり差別をしないイスラム教をユートピアだと考え、黒人はアフリカに還るべきだと主張しました。公民権運動は黒人vs白人だけの問題ではなく、イスラム教vsキリスト教、アメリカの現実vsアメリカの理想主義など様々な問題がぶつかり合った運動だったのです。
↓Malcolm X。一週間以内に400ページの彼の自伝を読めと言われた時にはえーと思いましたが、知っているようで全く知らない人物だったので読んで良かったです。
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では今アメリカ人は、黒人は、白人は、中東からの移民は、イスラム教を、アメリカという国を、どのように考えているのでしょうか。それは!今後授業で扱うのだと思います!教授の主張は、アメリカ人はムスリムであるかに関わらず中東のイスラム圏一帯を一つのイスラム教の国のように思い、そこに行けばイスラムというものがあり、そこから来る人はイスラム教徒という一種の人種であるように考えているが、現実は違う!という感じのものなので、なぜそうなのか理解できるのが楽しみです。

Minorities in Japanと合わせ、自分の国や国民に対する考え方が崩れていくのを感じます。どちらも、僕がまさに思っていたことや当然だと感じていたことを覆してきます。冬休みには、日本人はやはり、、だけどアメリカ人は。。アメリカはキリスト教国家だから。。イスラム教徒のテロ本当に起こりそうで怖いね。。など、何のためらいもなく言っていたのが、今はもうどれも言えなさそうです。僕が世の中について知らないことが多かったことも大きいとも思いますが。

そして、周りにはムスリムの人、イスラム圏から来ている留学生はたくさんいて、またマイノリティについて言えば、さらに色々な人がたくさんいます。そういった人たちと仲良くなって、気軽に夕飯などを食べながら本音を聞き話し合えるというのはアメリカの大学ならではの素晴らしい環境だと思います。Facebookで"Hi 〇〇! Do you wanna catch up? (なぜcatch upというのかはよく知りませんがしばらく会っていない友達を誘う時は大体こう言います。)"と聞けば、大体良いよ!と言ってくれるので、あとはお互いの都合の合う日時を決めて寮の食堂で会います。僕がそういうことをするのは、今のところ留学生ばかりなので、アメリカ人ともしなければと思いつつも、留学生の方が多様で話していて面白いし誘いやすいし英語にあまり気を使わなくて良いし自分の考えを言いやすいしという事実もあり、、

何にせよ、夏の留学生用のオリエンテーションで会って以来話していなかった人とも会えるので、これからも続けて4年間関係を保っていけるようにしたいです。では!