早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

ペプシのCMはレイシスト!

春学期も授業は残り1週間、その後reading periodという試験前期間のようなものがあり、期末試験やファイナルペーパーの締め切りがあり今学期が終わります。早いもので一年生ももうすぐ終わりです。色々と思うところはありますが、また色々終わってから書いていきたいと思います。さて、前回紹介した、ペプシのCMですが、何が問題だったのでしょうか。
↓問題のCM。もうすぐ再生回数1000万回を超えそうです。
www.youtube.com

これを紹介していた教授は"Everything, every scence is wrong." と言っていましたが、明らかによくない点と、ある程度コンテクストを理解していないとおかしいことがわからない点があると思います。(僕は初見ではほとんど何にも気づきませんでしたが)

明らかに良くない点としては、モデル役の人が金髪のカツラを取るところ、ヒジャブをつけた少女が写真を撮るだけなところなどがあげられると思います。金髪の白人が一番美しいと暗に言っているようなものだし、美人な白人が歩いてペプシを渡すだけで全てが解決するかのような、白人至上主義、白人中心主義がにじみ出ています。ペプシ側としてはできるだけ人種的に多様にし、男女間の差もなくそうとしたのだと思います。実際色々な人種の人が出てきていますが、結局白人が中心という形になってしまっています。また、まるでムスリムは黒人、白人などとは相容れない別の人種という捉えられ方をしているように見えてしまいます。

さらに問題なのは、このCMがBlack Lives Matter運動(黒人の命は大事だ運動?)のデモを元にしていて、少し前に有名になった一枚の写真に原案を得ていると思われる点です。
↓その写真がこれです。
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Black Lives Matterは、警察官による黒人殺害事件の多発などを受けてアメリカで広まった運動です。YaleでもよくYou are Lovedと言った看板を見かけます。この写真の女性は銃を装備している警官たちの前に、まさに命がけで立ち、動かず、逆に警官たちの腰を引かせています。結局この女性は逮捕されたそうです。

このように、黒人が中心となって、命がけでデモなど運動しているのをパロディとして、白人が主人公で、さらっとデモに参加してペプシを優しそうな警察官に渡して全てが解決というのは、とても無神経だということです。また、イスラム教徒に関していえば、全てのムスリムが中東やアフリカからの移民なわけでは全くなく、特にアメリカの黒人の中にはイスラム教徒がたくさんいます。つまり、Black Lives Matterはイスラム教徒とも深く関わっているのに、ペプシのCMではイスラム教徒代表の女の子はただ白人の写真を撮るだけです。

そもそもデモにあたる警官が重装備なのは、9.11以降テロ対策として国が、国民がそれを許可し推し進めたことも大きな要因だそうです。色々考えさせられるCMでした。では!