早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

中国農村での五日間Part2

飛行機の日程の関係で、プログラムの途中で帰国しなければならず、農村の高校で過ごした時間はわずか5日程度だったのですが、他の大学生も高校生も僕をとても歓迎してくれました。お別れの際にはクラス皆が一ページずつコメントを記した寄せ書きノートやウルトラマンのフィギュアをくれ、泣いてくれる子もいるほどでした。僕は今までこのような経験をしたことがなかったので、とても貴重な良い思い出になったのですが、その一方でなぜ僕にそこまで…という思いも抱きます。一つは多くの高校生にとって僕が人生で初めて生で会った日本人或いは外国人であり、大学生たちにとっても中国語を話せる日本人は珍しく好感度が高かったことがあると思います。また、純粋に生徒たちがとても良い子たちだったということもあるでしょう。しかし、それだけではなく、HBAに参加したことによる効果も大きいのではないかと考えています。

一つに、HBAで、日常会話だけでなく社会問題に関係する単語を学び、また中国の社会問題について授業や先生たちとの会話を通じて学べたことが挙げられます。このことで、生徒や他の大学生とも、一般に外国人同士が初めて会った時にするような、その国についての紹介等うわべの話題だけでなく、その人個人個人の、中国の諸問題に関する意見を聞いたり、僕はこれについてこう習ったが実際にそうだと思うか、と言った、一歩踏み込んだ話ができたように感じます。そのことで、国の代表同士という関係ではなく、個人対個人という関係が築け、より仲良くなれたと相互に感じたのではと考えています。

また、HBAでの生徒と先生の関係も役立ったと思います。HBAでは先生方はほぼ全員皆若い女性の先生で、授業では先生学生という関係でも、授業以外では中国或いは台湾の友達という感覚でした。このような、自分に年齢も距離感も近い人たちと2ヶ月毎日会い、ご飯を一緒に食べたり、オフィスアワーで日本のアニメから中国の歴史、哲学的話題まで様々な事柄を話していたことで、中国語を使って中国人とどのようにコミュニケーションを取ると盛り上がったり、笑わせたり、仲良くなったりできるか、ということがだんだんわかっていったのではないでしょうか。

仲良くなると、その分少し敏感な話題やタブーかもしれないようなことも話し合えるようになり、それによりさらに仲良くなることができます。南京大虐殺についての中国政府の態度について聞かれたとしても、相手が僕をただ日本人の一人として見ているか、僕自身として見ているかでは、同じ答えを言ったとしても相手の受け止め方は違うでしょう。それはこちらも同じで、相手を中国人というジャンルのみで見ているか、中国人だが、このような趣味があり、このような背景で、、という風にその人のことをより理解していたら、その人の発言の意味や重みも変わってきます。これは、Anthroplologyの授業でethnographyを読んでいても感じたことですが、ある集団について学ぶ際に、その集団全体を特徴付ける条件や状況を分析するというのは一つの手ですが、その集団に属する個人個人に焦点を当て、その個人個人をよりよく理解しようとするのも、非常に有効であると思います。Yaleでの授業や生活を通じ、その個人個人をより深く理解するということの面白さ、重要性に気づけたのも、今回中国で人々と仲良くなれた一つの理由かもしれません。