早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

Yale Refugee Project

先学期に引き続き、今学期も課外活動の一つとしてYale Refugee Projectに入っていました。秋には、難民の人たちが料理を通じてお金を稼げるようなシステムを地元のNGOと協力して創るというようなことをしようとしていましたが、そのプロジェクトはNGOの事情などもあり結局頓挫してしまったので、今学期は別のNPOと別の活動をしていました。

YaleのあるNew Havenという街では、ここ数年は年に1000人程の難民を受け入れています。その難民の方々の定住を一括して支援するのがIntegrated Refugee and Immigrant Services (IRIS)というNPOで、無料の英語の授業の他、生活のためのオリエンテーション、就職先の斡旋など、難民が再定住するために必要な様々な支援を提供しています。

今学期Yale Refugee Projectでは、僕含め立候補した12人ほどで、IRISと協力して難民の方々の就職支援をしていました。具体的には、Yaleの学生2人と、就職先を探している難民一名がペアになり、週に一回一時間ほど会い、一緒に就職先を探したり申し込みをしたりするということをしました。やはりIRISでは人手が足りず、個人個人の就職活動を支援するのが難しいことから来た依頼でしたが、難民の方と就活を一緒に頑張るというのもやはりアメリカならではなのかなと思いながら活動していました。

活動を通じた学びとして一番大きかったのは、本などで知識としてはあった、難民の抱える様々な問題というのを、実際に目の前で実感できたという点だと思います。難民の半分は子供、初めは英語を話せない、言語が就職のネックとなる、単純労働のような仕事にしかつけない、賃金が安い、安定した職に就けない、出身国での学歴や資格取得の証明ができない、不法移民だと疑われる、などニュースや論文ではよく耳にしますが、実際どれも現実に難民の方々が面している問題です。

一方で、この「難民」という言葉にも違和感を覚えます。「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々」が国連の難民の定義ですが、では難民認定されてアメリカに再定住しにきた人々はその後ずっと難民なのでしょうか?本来、難民というのは一時的なステータスであり、本国帰還・一次庇護国定住・第三国定住という三つの恒久的解決の方法が提示されています。つまり、第三国であるアメリカに「定住」した難民は「難民」ではなくなるということです。僕が一緒に就活した人たちは難民でしょうか?すでに定住しているでしょうか?その境目はどこにあるのか、誰が決めるものなのか?少なくとも僕にそれを決めることはできないと、就活先に「難民の人が職を探しているのですが考慮してくださいませんか?」などと電話をかけながら考えていました。

自分に将来何ができるのか、少し具体的になったような、振り出しに戻ったような感じですが、3年生になってもYaleでしかできないような活動を色々とやってみたいと思います。では!