早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

3年生春学期授業振り返り

3年生の春学期が終わりました。今学期は4授業履修と、今までより少なめにした分、今までを振り返ったり自分の興味を分析したり、4年生の卒業論文に向けた研究のテーマを考えたりすることもできました。一方、課外活動にはあまり取り組みませんでしたし、卒業後の進路など本来もっと考え準備しなけらばならないことも多くあります。全てが自分の思うようにはいかない、当たり前のことに気づかされた3年生だった気がします。ということで、春学期の授業を振り返ります。

1. ARBC 140 Intermediate Modern Standard Arabic II
毎日50分のアラビア語の授業。基本的な文法を一通り学習し、政治や歴史などアカデミックなテーマの文でもなんとなくわかるようになってきました。まだまだ先は長いですが、一年前はまだ何も勉強していなかったことを考えるとだいぶできるようになったかなとも思います。課題は小テスト数回と翻訳(アラビア語から英語)プロジェクトでした。

2. ER&M 463 Ethnography of Policing and Race
週一回2時間のセミナーで警察組織について社会学エスノグラフィという視点で学ぶ授業。課題図書(週一冊)はどれも面白く、以前記事にも書いたパトカー乗車体験も興味深かったですが、教授はあまりディスカッションを仕切るのが上手ではなく、そこが残念な点でした。履修している学生たちも、皆課題図書を読んでいない感じで、人種差別は良くない!というような深みのない理想論が多く残念でした。課題はファイナルペーパー一枚のみ(10-15ページ)でした。テーマは自由だったので、なぜ警察官が人種差別的な行為に及んでしまうのかを、警察官に与えられる権限、警察特有の文化、社会的影響などの観点から分析しました。

4. SOCY 152 Topics in Contemporary Social Theory
週二回75分のセミナーで1940年以降くらいの社会学の定理について学ぶ授業。社会を分析するための礎となる様々な考え方を学ぶことができ、また社会学の定理とは何かというメタ理論的なことも議論できとても勉強になりました。課題は合計三枚のペーパーで、二つの議論の提唱者同士のディベートを想像して書く、提唱者が現在生きていたら何というか、など面白いテーマでした。三枚目は、性別を変更するトランスジェンダーが許されるなら、人種を変更するトランスレースも許されるべきだという議論に関する批評でした。

5. WGSS 206 Transnational Approaches to Gender & Sexuality
週一回2時間のセミナーでトランスナショナル的なジェンダー論へのアプローチを学ぶ授業。Women's Studiesの授業は初めてでしたが、教授も履修している学生も僕にはない考え、視点を多く持っていてとても面白かったです。グローバル化する時代において移動するものは何なのか(人、物、技術、思想等)、そしてそれらとジェンダーとはどのような関係なのかについて考えることができました。課題は短いペーパー3枚(身の回りの人・物・思想の移動について)と、ファイナルのリサーチペーパー(8-10ページ)。日本が2015年から開始した外国人家事支援労働者受け入れ政策におけるジェンダー、移民、家事の意味について書きました。

ということで、今学期を振り返りました。夏はタイの移民に関するNGOでリサーチインターンをしながら卒業論文の研究をすることになりました。では!