早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

技能実習制度とNGO

先週は、インターンをしているNGOの企画した日本でのスタディツアー及び会議参加のため東京に滞在していました。スタディツアーでは、ベトナムカンボジアミャンマーでそれぞれ移民支援をしているNGOの代表者と一緒に、日本で技能実習制度や技能実習生の支援に携わっている様々な方にお話を伺い、会議では三国と日本の様々な関係者が一堂に会し、問題点や今後の展望について議論が行われました。

僕の一番の役割は、スタディツアーの際に切符を買い、皆をそれぞれの場所まで案内することでしたが(意外と疲れますね)、色々な視点での技能実習制度に関する意見を学ぶことができ、とても有意義な滞在となりました。全体として印象的だったことを書いてみたいと思います。

↓会議の様子。各団体の代表者が活動や問題点についてのプレゼンテーションを行い、それに対する質疑応答をするという形で進められました。その内容を全て書き起こし、記録してまとめるのも僕の仕事です。
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一つ目は、人によって技能実習制度における様々な問題の要因として考えているものが大きく異なるという点です。最低賃金以下の給料、労働権利違反、暴力、失踪など様々な問題がよくニュースになりますが、これらの原因として、送り出し国側の支援や制度整備が不十分であることを原因とする人もいれば、言語や文化の違いによるミスコミュニケーションが一番の原因だとする人、実習生と雇用主の関係が対等にはならない制度そのものに問題があるという人など、様々です。言い換えれば、皆が技能実習制度における問題の解決のために尽力していたとしても、向いている方向はバラバラで、解決にはなかなか至らないのではないかとも考えられます。その意味でも、今回のような、関係者を一堂に会した会議というのは重要であると思いました。

二つ目に、送り出し国側と日本とでのNGO労働組合等の支援団体間での情報共有や協力があまりなされていないということです。例えば、ミャンマーでは斡旋業者が移住労働者に求められる斡旋料の上限は2800ドルと定められていますが、実際にはこれに加え日本語の授業料やその際の宿泊費など、技能実習生はさらに多くの費用を支払う必要があり、多くの人は借金を抱えて来日します。しかし、実習生を実際に雇う企業には、この事実を実習生から聞くまで知らなかったというケースもよくあります。また、日本の労働法や労働者の権利について、もし来日前により詳しく教わっていたら起こらなかったであろう問題もあります。例えば妊娠による強制送還がありますが、そう言った情報も事前に共有されていれば、送り出し国のNGOが移住労働候補者に伝え、似たような問題を未然に防ぐことができます。送り出し国と日本のNGOのコラボレーションも、今後さらに重要になると感じました。

今までNGOといえば、草の根活動で困っている人を直接助けるというイメージでしたが、僕のインターンしているNGOのように、そう言った草の根NGO同士を繋げ、ネットワークを築くことで問題解決に繋げる、という活動も非常に重要だと実感した日本滞在となりました。残りあと1ヶ月ありませんが、最後まで頑張ります!