早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

Yale流自己分析の方法

大学卒業後の進路を考える上で、自己分析は大事だとよく言います。就活においても、自己分析をしましょうとよく本やネットに書いてありますね。その一方、具体的にどのように自己分析をすれば良いのかというのはなかなかよくわかりません。僕の場合、3年生の頃自分の興味や将来やりたいことを見失ってしまっている時期があり、自己分析をするのが良いのだろうと思いながらもその方法がよくわからず彷徨っていました。そのような状態から脱するきっかけとなったのが、Yaleで開催されていたセミナーでした。これは授業とは違い、学生のイノベーションや社会奉仕活動を支援するために設立された大学の機関が開催していたもので、「社会のために何かしたいけど何をどうすれば良いのかわからない人」に向けられたものでした。このセミナーで教わった自己分析の方法により、自分の核となっている部分を言語化でき、その後卒論のテーマを思いついたり就活をしたりする上でとても役立ったので、今回はそんなYale流自己分析の方法について書いてみたいと思います。

とはいっても、やることはかなりシンプルで、以下に挙げるいくつかの問いに対する答えを考え、書き出すのみです。

1. 自分が不正義(injustice)を経験したり、感じたり、目撃したりしたのはいつか?その経験において何が自分を感情的にさせたか?
「不正義」は不公平だと思ったこと、ずるいと思ったこと、自分の定義で構いませんし、その内容も身の回りの小さなことでも、世界的なことでも、小説やドラマ上のことでも大丈夫です。自分の人生を振り返り、思いついたことを列挙していき、それぞれについて何故自分はそれを不正義だと思ったのかも考え書きます。例えば、僕の場合すぐに思いつくのは「ウルトラマンで友好的な宇宙人が人間から迫害され死んでしまった時」等ですが、じっくり考えると他にもYaleで会った人が言っていたこと、授業で思ったこと、自分自身が経験したこと等色々とあります。
全部出し尽くした後、不正義を感じた経験とその理由を見ていき、共通点があればそれを書き留めておきます。経験の時間や場所は違っても、意外とその理由や種類に共通点があることに気づきます。

2. 自分の勉強における経験、実務における経験、生きてきた中での経験、好きなことはそれぞれ何か?
勉強における経験は、例えば中高大の授業で何を学んだか、どのような力を身につけたか。実務における経験は、課外活動やインターンシップ、仕事を通じてどのような経験をしどのような力を身につけたか。生きてきた中での経験は、自分が生まれ育った環境の中で経験したこと。具体的な経験をそれぞれ書き出し、それらに共通する抽象的な経験や力を見つけると考えやすいと思います。例えば、こんな授業やあんな授業を履修した。その結果、こんな力が身についた、というような感じです。さらに、それぞれの経験で形成されたネットワークについても書きます。例えば、このインターンシップではこんな人と繋がった、こんな人にお世話になった、という感じです。

3. 自分が得意なこと、世界の解決すべき問題は何か?
2の結果を元に、自分の得意なことを書き出します。また、1の結果を元に、自分が思う、世界にある不条理、解決するべき問題を書き出します。

4. 自分ができることは何か?
3で書き出したことを元に、世界の解決すべき問題の解決に対し、自分が得意なことを通じて貢献できることは何かを考えます。この際に、2で書き出した自分のネットワークも考えます。

ということで、1-4の手順を踏むと、自分が熱意を持って取り組める問題、そしてその問題に対しどう取り組むべきか、というのが見えてきます。つまり、自分のやりたいことと自分のできることを両立できる部分を言語化することができるのです。自分を見失いそうな時、ぜひやってみてください!