大泉東映撮影スタジオから車で約1時間。栃木市に入りしばらく車を進めると姿を表す巨大な崖。今回向かったのは平成仮面ライダーなど近年の特撮で度々戦闘の舞台となる岩舟山採石場跡である。
↓仮面ライダーの映画のワンシーン。仮面ライダーやスーパー戦隊などにおいて大規模な爆発を伴う闘い、大人数が入り乱れる闘いはだいたいこの岩場で行われる。
岩舟山は日本三大霊山の一つ。山頂付近には高勝寺というお寺があり、そこに続く1600段以上の階段が山の南側、岩舟駅の西側にほぼ一直線に伸びている。この階段を登れば途中にロケ地となった岩場が見られる、そう思うかもしれないがそれは少なくとも特撮に関しては間違いである(経験済)。確かに途中に2か所開けた場所に出られるところがある。しかし、そこは広くはなく、あの仮面ライダーたちが全員集結して怪人を撃破した場所ではない (劇場版Trickはこちらがロケ地のようだ)。もちろん折角来たのだからお参りして帰りたい、そう思うなら止めはしない。しかし待っているのは急で長い階段に加え、霊山の何とも言えない鬱蒼とした雰囲気、そして無人のお寺だ。
↓霊山、お寺へと続く階段。
ではロケ地はどこか?階段から少し西にいったところに車で登って行ける道がある。行き着く先−−岩舟山クリフステージがあのいつもの採石場だ。現在はコンサートやフェスの会場としても用いられており、この日もコンサートの準備が進められていたが、誰でも無料で入れるようだ。道を登ると二手に分かれており、一方が草の多く生えている地帯、もう一方が荒地だと思われるがそちらはコンサート会場設営のためよく見ることは適わなかった。さらに西側にも岩場が広がっているようであったが、そちらは私有地のため入ることはできなかった。
↓今はヒーローも怪人もいない。訪れたひとときの平和を自然が迎える。
この地で繰り広げられた数え切れない闘いとそこで散っていった怪人・獣人・魔人・その他戦闘員に想いを馳せる。日本の特撮の血と汗。魂の現場を目撃した。次回、大谷石採掘場跡。いくつものロケ地を巡りその瞳は何を見るー。