早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

Yale大学のコロナウイルス対策

春休みになりましたが、コロナウイルスがついにアメリカでも猛威を振るっています。春休みに入って数日経った3月10日夜9時、学長から一通のメールが。そこには春休み以降4月上旬まで全ての授業がオンラインに移行すること、そして一部の例外を除いて学部生は寮から近日中に退去することが記されていました。僕はオフキャンパスに住んでいるので、退去する必要はなく、4月に授業が再開されるのか、ずっとオンラインのままで卒業式等も行われないのかの判断が下ってから帰国するかどうか考えようと思っていますが、寮に住んでいる人たちは大変です。ハーバード、MIT、コロンビアなど他の各私立大学も似たような状況らしいですが、Yaleのポリシーの詳細について解説したいと思います。

追記(3/14):本日Yale大学関係者に初のコロナウイルス感染者が確認されたことを受け、学長から授業のオンライン移行・寮からの締め出しを春学期末まで延長すること、無期限で医療機関などを除く大学施設を閉鎖することを決定したというメールが届きました。卒業式はまだ開催するか決めないらしいです。図書館なども閉まってしまい、あまりYale付近に残る意味がなくなってしまったので、いつ帰国するのか、再考する必要がでてきそうです。

まず、授業のオンラインへの移行ですが、これはまだ始まっていないので詳細は分かりません。レクチャースタイルの場合はそんなに難しくはないと思いますが、セミナースタイルの授業でどのようにオンラインで議論を行うのかは試行錯誤となりそうです。特にセミナーや実験メインの授業の場合は録画して後で見るということができないので、時差のある国に帰らなければならない留学生などは続行が難しくなるかもしれません。現段階では、そのような学生への対処は各教授にお任せという形になっています。留学生がアメリカ滞在に必要なF1ビザは本来オンライン授業のみの学生に対しては失効するのですが、今回は特別で失効しない、もし仮に4月から授業が校舎で再開してもアメリカに戻れない、という場合にもオンラインで受け続ければ失効しない、ということが確認されました。

次に寮の退去ですが、メールが来た段階ですでに家に帰っているなど寮にいない場合は帰ってこない、寮にいる場合には6日以内に退去することが命じられました。これはアメリカが指定するレベル3の国々(台湾・香港を除く中国、韓国、イギリスを除くヨーロッパ)以外の国からの留学生も対象となっており、友達からの話では他の様々な理由で帰る場所がない人、すぐに帰ることができない人もケースバイケースですが退去しなければならないこともあるようです。大学から奨学金をもらっている人は大学から家に帰る旅費をもらえるそうですが、例えばホテルに長期滞在する必要のある場合、食費などに対する援助は今の所公式なものはないようです。退去以降の寮費、食費は返金されるそうですが、いつ返金が行われるかはまだ未定とのことです。一方で早速Yale卒業生のグループが滞在場所や旅費の援助を申し出てくれており、卒業生のネットワークの素早さ、強さは流石だなと感じました。寮の退去の強制性については各大学ポリシーが異なっており、強制のところもあれば強制ではないところもあるようです。

Yale全体が完全に閉鎖されるわけではなく、大学院生は残ることが許されていますし、今の所図書館なども営業を続行するようです。

4月上旬にそれ以降の措置について決定するとのことですが、寮や授業が元のように復活する可能性はかなり低いのではないかというのが現状です。他の大学は学期末まで寮の退去、オンライン授業を続けるとすでに決めているところも多く、後3週間で状況が一変するとは思えません。仮に復活しなかった場合、4年生の僕たちは卒業式を行うことができず、メールが来た段階ですでに家に帰っていた多くのアメリカ人とももう会うことができません。

それでも、他にもオフキャンパスに住んでいたり、寮から大学付近の民宿などに移る予定だったりする友人も何人かいます。そういった人たちと会ったりしながらいつ帰国するか考えていきたいと思います。では!