早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

YALEのヒミツ〜バーテンダーの授業編

イェールには、バーテンダーになるための授業というものがあり、誰でも無料で受けることができます。入学前、イェールの先輩のブログでその存在を知り、ずっと興味があったのですが、定員が限られておりすぐに満杯になってしまうため、今まで受けることができずにいました。しかし!予約受付開始と同時に申し込むことで、今回ついに受講することができました。その様子をご紹介したいと思います。
バーテンダー実践講習の会場
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バーテンダーの授業は座学と実践の二部構成になっており、人気の実践を受けるためには、事前に座学を履修する必要があります。座学は2時間程の講義で、人体がアルコールをどのくらいで消化するのか、飲み物に含まれているアルコール分をどのように計算するのか、といったことだけではなく、お客さんの酔っている度合いをどのように判断し、それに合わせてどのように接するべきかといったことも、ビデオでのシチュエーション別シーンを見ながら考えます。バーテンダーはカクテルを作りお酒を振舞うことのみが仕事なのではなく、バーの雰囲気を作り出し、お客さん皆が気持ちよくその空間・時間を楽しめるようにすることも仕事なのだということを学びます。

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4年生春学期の授業

Yale最終学期となりました。最後だから…ということで、「今まで取る機会がなかったけど取ってみたかった」という分野の授業が多めになっています。

↓1週間のスケジュールはこんな感じです。
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1. ARCH 341 Globalization Space
週二回のレクチャー、受講人数は100人くらいです。グローバル化とは何なのかを建築的な視点から考える授業です。建築科の授業を取ってみたいと思っており、その中でも面白そうだったので履修を決めました。

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Ethnicity, Race and Migration専攻

僕の専攻、Ethnicity, Race, and Migration(以下ER&M)ですが、何それ?と思う方も多いかなと思い、今更ですが専攻についてその内容、卒業に必要な単位について等紹介したいと思います。

ER&Mはイェールで1999年に設立された学部生のための専攻で、今では毎年30-50人くらいがこの専攻で卒業します。日本では○○学部△△学科という形が多いかもしれませんが、イェールでは学部(department)と○○専攻(major)は一致しているわけではありません。学部(department)は大学院生用のプログラムを有しているもの(political science, anthropology, math,...)を差し、教授の任命権など、権限が大きいのに対し、ER&Mはプログラム(program)という位置づけで、権限があまり大きくはありません。しかし、学部生の専攻としてはdepartmentであろうとprogramであろうと同等の専攻(major)です。

このER&Mという名前はイェールに特有のものですが、アメリカ全体としてはEthnic Studiesという学術的分野に相当します。(日本語の民俗学とは意味合いが異なります。)元々は1960年代、大学に進学した黒人たちが白人の教授による欧米至上主義の授業しかない状況に異議を唱え、自分たちのルーツを自分たちの人種の視点で学べるような環境を作るよう大学側に働きかけ、それが各地に広まったことがきっかけで誕生しました。

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4年生秋学期授業振り返り

最後の一年の前半が終わりました。今学期は久しぶりに筆記テストのある授業を受けると同時に、卒論も書き始め、12-15ページのファイナルペーパーも3枚あるラスト1週間でした。一年生の最初の頃は3ページのリーディングレスポンスに1週間かかっていたと思うと、4年生になったのかなと思います。振り返っていきたいと思います。

1. ANTH 300 Primate Behavior and Ecology
霊長類についてのレクチャースタイルの授業で、仮説を立て予想し実証するという科学のアプローチの基本から、進化論の様々な派生と最新の研究、各サルの分類と特徴などを学びました。Distributional requirementを満たすためにScienceに分類される授業をあと一つ履修する必要があったため受講しましたが、文系科目とは違うようで似ているアプローチの仕方、考え方もあり面白かったです。ニューヨークのブルックリン動物園へのクラストリップがあったり、毎回授業開始5分間は教授主導の瞑想の時間だったり、面白い授業でした。

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伝統の一戦 Yale X Harvard

日本でいう早慶戦のように、アメリカにもライバル校による伝統の一戦というものがあります。イェールはハーバードが永遠のライバルです。そしてここはアメリカ、戦うのはアメリカンフットボールです。毎年11月にイェール、ハーバードの会場(大学がアメフト場を所有しています)を交互に使用して行われるこの伝統の一戦、今まではあまり興味なく行っていませんでしたが、今年はもう最後の機会でありちょうどイェールの会場で行われるということで、行ってきました!

イェールの学生だけでなく、ハーバードからも多くの学生が応援しに、さらには両大学のOBOGも多く観戦に訪れます。チアやブラスバンドもいて盛り上がります。席は自由なので、かなり前の方で観ることができました。
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詳細なルールはよくわかりませんが、少しずつ前進し、一番端のゾーンにトライすると点が入ります。前半終了時点では20点差くらいでイェールが負けている状況でした。あ〜という感じでハーフタイムになり、ピザを買いに行って戻ってくると…
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ピッチに座り込み、警察に取り囲まれている人々がいます。

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Yale流自己分析の方法

大学卒業後の進路を考える上で、自己分析は大事だとよく言います。就活においても、自己分析をしましょうとよく本やネットに書いてありますね。その一方、具体的にどのように自己分析をすれば良いのかというのはなかなかよくわかりません。僕の場合、3年生の頃自分の興味や将来やりたいことを見失ってしまっている時期があり、自己分析をするのが良いのだろうと思いながらもその方法がよくわからず彷徨っていました。そのような状態から脱するきっかけとなったのが、Yaleで開催されていたセミナーでした。これは授業とは違い、学生のイノベーションや社会奉仕活動を支援するために設立された大学の機関が開催していたもので、「社会のために何かしたいけど何をどうすれば良いのかわからない人」に向けられたものでした。このセミナーで教わった自己分析の方法により、自分の核となっている部分を言語化でき、その後卒論のテーマを思いついたり就活をしたりする上でとても役立ったので、今回はそんなYale流自己分析の方法について書いてみたいと思います。

とはいっても、やることはかなりシンプルで、以下に挙げるいくつかの問いに対する答えを考え、書き出すのみです。

1. 自分が不正義(injustice)を経験したり、感じたり、目撃したりしたのはいつか?その経験において何が自分を感情的にさせたか?
「不正義」は不公平だと思ったこと、ずるいと思ったこと、自分の定義で構いませんし、その内容も身の回りの小さなことでも、世界的なことでも、小説やドラマ上のことでも大丈夫です。自分の人生を振り返り、思いついたことを列挙していき、それぞれについて何故自分はそれを不正義だと思ったのかも考え書きます。例えば、僕の場合すぐに思いつくのは「ウルトラマンで友好的な宇宙人が人間から迫害され死んでしまった時」等ですが、じっくり考えると他にもYaleで会った人が言っていたこと、授業で思ったこと、自分自身が経験したこと等色々とあります。

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卒業論文の書き方

4年生ということで、専攻を修了するためには卒業論文を3月までに提出する必要があります。僕の専攻、Ethnicity, Race, and Migrationではいくつかオプションがあり、卒論を書かないオプションもあるのですが、僕は「一年かけて卒論を書く」という選択をしました。今年の夏にタイと日本にて行ったフィールドワーク、インタビューを元に、最終的には45-60ページの論文を書きます。秋学期には「卒業論文の書き方」というようなセミナーが僕の専攻の授業でオファーされており、今はその授業の中でどのような手順で研究を形にし、執筆していくかということを学びながら実際に書き始めています。予定としては今学期中にLiterature Review (先行研究の分析)のパートを書き終わり、来学期残りの部分を書くという感じです。今回は、卒業論文をどう書いていくのか、そのプロセスについて紹介したいと思います。

それでは、フィールドワークなど、データを集める研究パートを既に行ったとして、それを論文にする作業を順番に見ていきましょう。
1. 研究のテーマ、疑問、重要性を明確にする

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