早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

"War on Terror"の終焉

イラクアフガニスタンについてのセミナーでは、両国の簡単な歴史とアメリカの侵略についてというパート1が終わり、より具体的な問題を扱う時期に入りました。その第一弾がテロリストグループ、ISとタリバンについてでした。このセミナーでは、学生全員15分のプレゼンテーションを学期中どこかで一度行うことになっていて、僕は今週を選びISについて発表しました。通常だと課題のリーディング(150ページ程)を読むだけで良いのですが、プレゼンの際はさらに自習して、課題図書に載ってないことも取り入れる必要があります。図書館でIS関連の本を借りて来たらルームメートに違う意味で心配されましたが、色々と知らなかったことも多かったので、プレゼンの内容についてご紹介したいと思います。

僕のポイントを一言で言うと、War on Terrorと言う考えはやめよう!です。War on Terrorは、アメリカで9.11以後よく使われるフレーズで、「テロとの戦い」を意味します。ここで問題なのは、戦うことではなく、「テロ」と言う言葉で、テロ組織全てを一括りにしていることです。ISやタリバンについて詳しく調べると、ISIS (イラクとシリアのIS)、アフガニスタンのIS、タリバンでその目的や戦略、対処法が全く違うということがわかります。本来様々な違いがあるのに、似たようなテロ行為を行うという特徴だけで一括りにしてしまうと、効果的な対処法を見失うだけでなく、不必要にテロリストグループ同士が結びつきやすくなるきっかけにもなってしまいます。

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レクチャーとセクション

今学期はYaleに来て初めて大人数のレクチャーを履修しています。少人数制のセミナーとはかなり違うシステムなので、今回はレクチャーの雰囲気と、セクションという制度についてご紹介したいと思います。

僕が履修しているレクチャーはどちらも受講人数80人程度で、教室もちょうど学生でほぼ満杯になるくらいの大きさです。毎回教授が前に立って、パワーポイントのスライドを使いながら講義をします。
↓Intro to Ethnicity Race and Migrationの授業の様子。
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”リベラル・アーツ”教育の実態

最近話題のリベラルアーツ教育。日本の大学でも取り入れるところが増えて来ています。アメリカの大学といえばリベラルアーツ教育というイメージがありますが、具体的にはどのような点がリベラル・アーツなのでしょうか。もちろん授業以外の面でもこのリベラルアーツの特徴はあると思いますが、今回はYale大学の授業履修のシステムを例にリベラルアーツについて考えてみたいと思います。

Yaleはアメリカの大学の中でもかなり自由に授業が取れる大学だと思いますが、緩い履修条件がリベラルアーツ性を保っています。具体的には、"Distributional Requirements"と呼ばれる要求です。
↓このチャートが要求の全てを説明していますが、もう少し詳しくみてみましょう。
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2年生春学期の授業

Blue Booking, shopping periodを経て今学期履修授業を決めたのでご紹介したいと思います!セミナーに入れるかどうかという不安がかなりつきまとう今回のショッピングピリオドでしたが、最終的にはかなり理想通りな結果になったと思います。
↓最終的に履修することに決めたクラスと1週間の予定。
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YALEのヒミツ〜Blue Bookingとは〜

春学期が始まりました!寒いです!!!ショッピングピリオド中で、今学期取る授業を色々試して決めています。とても知的にわくわくする期間ですが、と同時に入りたいクラスに無事入れるか、本当に思った通り面白いクラスか、という不安もつきまとう期間です。ショッピングピリオド前後の授業日程は毎回載せていますが、その具体的なプロセスについてはあまり書いたことがありませんでした。今回は、それに関係する、学期の始まりにYaleの至る所で行われるBlue Bookingという行為について書きたいと思います。

Yaleでは、その学期にオファーされるコースのカタログをYale Blue Bookというウェブサイトで確認し、ショッピングや実際に受ける授業のプランを立てます。このことから、履修する授業の計画という意味でBlue bookingという言葉を使います。では具体的にはどのようにBlue bookingするのかというと。。。

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日本戦争映画

成人式でした!成人年齢の異なる中国やアメリカにいたのであまり成人したという実感はありませんが、高校の同窓会では久しぶりに旧友たちと話すことができ、リフレッシュできたかなと思います。帰ってくる家があり、迎えてくれる友人がいてくれることはやはりとても大事で幸せなことだと感じ、Yaleでまた心機一転頑張ろうという気持ちになりました。

さて、秋学期ドイツの戦争映画の授業を取っていたこともあり、この冬休みは日本の戦争映画をいくつか見ました。その感想を書きたいと思います。

  • 我が青春に悔なし:黒澤明、1946年
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特撮101ー初めてのウルトラマンー

アメリカの大学の授業の番号はだいたい難易度順に3ケタで表されることから、入門であることを101とよく例えます。特撮入門といえば初代ゴジラと初期ウルトラシリーズでしょう。ゴジラに関してはこれまでも何度か書いてきましたが、ウルトラマンについては一回しか書いていませんでした。
ウルトラマンのヒミツ〜日本の宗教編 - 早坂有生のYALEは少しマニアックな観点からのアプローチだったので、今回はオーソドックスなウルトラの世界への入り口について書きたいと思います。ご紹介する各エピソードはkissasian.chというウェブサイトで観られるようですね。

そもそもウルトラシリーズとは、通常1966年に放送を開始した『ウルトラマン』から続く、特撮ヒーロードラマシリーズのことを指します。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」…と、それぞれ異なるウルトラマン、設定等を要して約一年放送し、完結します。「ウルトラマンネクサス」のような例外もありますが、基本的には一話完結です。全体的に言えるのは、ともすれば子供向け娯楽作品と偏見の眼差しを向けられることの多いウルトラシリーズですが、その実態は戦争、占領など様々なことを経験して来た大人たちが真剣に、テーマを持って完成させた芸術作品であり現実社会の縮図を描く人間ドラマでもあります。特に初期の作品にはそういった、強く訴えかけ心から離れないような作品が多くあります。ウルトラシリーズを見たことない方が見るべき作品をいくつかご紹介したいと思います。

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