なぜ先進国と発展途上国の経済格差は縮まらないのか?なぜ1日$1以下で生活している人々がいる一方で億万長者も存在するのか?何をすれば格差は縮まるのか?貧困層をなくすにはどうすれば良いのか?誰でも一度は考える疑問ではないでしょうか。経済学の中でも、開発経済学は特にこういった疑問に特化し、実験や数学技術を駆使して答えを探っています。その片鱗を授業を通じて学んでいるので、ご紹介したいと思います。
開発経済学が明らかにしたいもの、それは一言で言えば因果関係です。〇〇をすれば、人々の収入が上がる、健康状態が良くなる、のようにこれさえすれば問題を解決できる!というのを探し、仮説を立て、それを証明します。ここで問題となってくるのは、仮説の関係が本当に因果関係で、ただの相関関係ではないということを証明する難しさです。例えば、「教育を受ければ収入が上がる」という仮説を考えてみましょう。この証明のためには回帰分析という統計学の手法を用います。調べている地域の人々の教育を受けた年数と収入の統計を取り、それを数式
(収入)=β1+β2(教育年数)+ε
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