早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。

Muslim Banの余波と最近の授業

トランプ大統領が本格的に活動を開始し、もともと反トランプで人権やレイシズムに敏感なYaleではデモやプロテストが盛んになり授業でも政策が取り上げられるなど影響が広まっています。今回は政策の中でも特に影響の大きかった通称Muslim Banと、それに関連して最近授業で取り上げられたことについて書きたいと思います。

Muslim Banに対しては、やはりありえない、アメリカらしくない、などの意見が圧倒的多数で、僕のスイートメートの一人はアンチファシズムの組織を自分で立ち上げてデモを企画して行なっています。地域の人も参加できる大規模なデモもあり、2000人以上集まったとのことです。Facebookでも毎日のように皆がトランプを批判する記事をシェアしたりデモの様子を書き込んだりYaleの取り組みを紹介したりしています。日系人が戦時中に強制収容されたことを引き合いに出す記事も多いです。

僕はというと、大統領選の結果が出た11月の頃と同じように、何となく周囲と共感できずにいます。アメリカのことで他人事だし、、Muslim Banも賛成派の方が多いのに賛成する人たちをただ無知だからバカだからと片付けるYale生はどうなのか、、トランプ支持者からすればそのような金銭的にも教育的にも恵まれていたからYaleに入れた学生たちこそ仕事がない苦労や権威を失っていく辛さを知らない無知なおぼっちゃまと思われているのではないか、、先住民以外ほとんど元はと言えば移民なのにまるで自分たちはずっとアメリカに住んでいたように語るのが不自然に思えたり、、アメリカへの入国を禁止することに対しては反応してるけどアメリカの同盟国で金銭的軍事的に支援しているイスラエルパレスチナムスリムを爆撃して圧政していることには興味ないんだ、、プロテストもするけどそれ以外の時間はジョークを言い合って笑いあって、どのくらい本気で考えているのだろうか、、日系人収容から学べと言うけどそれは戦争中で敵国の移民だったのだから今回とはまた話が違うのでは、、

今回は移民難民政策ということで、昨年の政府認定難民数が27人の日本、外国人外国からの帰化含めたマイノリティが人口の5%以下の日本でずっと育ってきた立場からも、アメリカ人の考え方とは相いれない部分があります。例えば、Muslim in United Statesのセミナーで、「ドイツでは今ではトルコ系の人が40%なのに私がホームステイしたドイツ人夫婦は『トルコ人たちはドイツに馴染もうとせず異言語で異文化でいやだ』と言っていた。もう40%もいるんだから変化に対応するのは当然なのにね」というようなことを発言している子がいました。そんなこと言っても僕は正直日本人の半分が明らかに日本人ではない顔つきになり異文化異言語を使うようになったら嫌だしそんな日本はそもそも想像できません。(では日本は本当に単一民族国家なのかというとそうでもなく、、というのをMinorities in Japanのセミナーでやっています。この話はまた次の機会に。)

Muslim Banを一番取り上げた授業はIslam in the United Statesでした。もともとイスラム教についてで、ムスリムの受講者も多く教授も移民二世のムスリムなので当然と言えば当然です。一番話題になったのは、「アメリカ人とは何なのか、何がある人をアメリカ人にするのか」ということです。国籍がアメリカならアメリカ人?白人でないとダメ?アメリカの理想的な思想を抱いていることが重要?キリスト教徒でないと?色々考えられることはあります。ちょうどMinorities in Japanで「日本人とは何なのか?日本人と認識される条件は何か?」という全く同じ問いが話題になりそれについて考えていたので、対比ができ興味深かったです。この問いについては授業でどのようなことを根拠にどのような議論がなされたか、またご紹介したいと思います。

ということで、あまりまとまりのない記事になってしまいました。自分の中でもやもやする部分が多いのは、アメリカ人、Yaleの学生に対しそれは違うだろう、そんなこと言っても日本では、、と思う一方で日本の実情を理解しているわけでもなく、曖昧で知らないことがたくさんあることが原因の一つだと思います。そう言った意味でも、Minorities in Japanのセミナーは一番考えさせられる授業です。では!