早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

日本語と英語

今学期から、日本語初級クラスのTF (teaching fellow) をしています。今回はYaleの日本語クラスの様子、日本語の難しいところなどをご紹介したいと思います。英語圏の人が日本語で難しいと感じることは、日本語話者が英語で難しいと感じるところ、できないところを見つけるのにも役立つと思うので、その辺りも見ていきましょう。

僕が今学期担当しているのは、Japanese120という、2学期目に取るコースです。Yaleは東アジア言語の教育に特に優れていることで有名で、日本語の進みも超速いです。僕の仕事は、学生一人一人と30分一対一でチューターをすることで、毎回何をするかは先生から指示を受け、それに従って行います。基本的には、毎回クラスで習う例文のイントネーションの確認と場面を決めたフリートークは毎回行い、それ以外には動詞が活用した際のイントネーションの変化などを確認したり、宿題で書いてきた文章を一緒に直したりしています。

日本語を取っている人たちは皆アニメが好きだから (僕のルームメートのパターン)かと思いきや、そういうわけではなく、専攻と関わっていたり、言語自体に興味があったり、血縁的に日本と関係があったりなど、様々です。学年も皆が一年生というわけではなく、四年生だったり大学院生だったりします。人種的には、やはりアジア系が多い気はしますが、多種多様です。

学生が一番苦労しているのは、やはり助詞とイントネーションです。どちらも日本語が母国語だと、何も考えずに正しく使えますが、学ぶ側からすると、明確なルールがあまりなく、ただ覚えなければならない場合も多いので大変そうです。これは、英語学習者からしても問題となるところだと思います。少し比較して見ましょう。

てにをはなどの助詞は、英語で言うidiomに相当すると思います。日本語話者が感覚的に使い分けるのと同じように、英語が母国語だと自然に聞こえるかどうかで前置詞や冠詞を使い分けます。僕は特に英語のwritingでこのidiomには苦労し、未だにwriting tutorに行くと度々直されます。in, of, about, to, the, a, どの状況でどれを使えば良いのか、英語の参考書などには何となく用法が乗っていて、それぞれにルールもありますが、やはり完璧にはできません。

イントネーションは、日本語ならではのもので、英語だとアクセントに相当します。日本語はピッチの言語で、音を高低させて話すのに対し、英語は音の強弱で意味を伝えます。なので、日本語は一音一音発する時間は同じで、高低が違うと意味が通じないこともありますが、英語は逆でアクセントのある部分さえ言えば何となく通じ、逆に全ての音を同じように言うと伝わりません。日本語のチュートリアルでは、実際に例文に音のピッチを表す線を一緒に書いて、高低を確認します。話す時は合っていても書こうとすると間違っていることも多く、結構難しいみたいです。日本語の高低に比べて英語のアクセントの方が、まだ単語ごとに決まっているので覚えやすい気がしますが、僕は強弱で話すと言うことに慣れるのがとても大変でした。Yaleに来て、英語が母国語の人たちに囲まれて生活している中で、ようやく段々うまく強弱を使いこなせるようになって来た気がします。

チューターをしていて楽しいと思うことは2つほどあり、1つはフリートークなどを通じて、チューターをしていなければ出会っていなかったかもしれない学生たちのバックグラウンドを知ることができることです。前述したように、様々な人がいて面白いです。2つ目は日本語に苦しんでいるのを助けられることです。普段英語に苦しんでいるので、英語話者が頑張っているのを見るのは楽しいしそれを助けられるので良いです。

来学期以降も続けていければと思っています。では!