早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

YALEのヒミツ〜大学院Astrophysics編

今日で今学期の授業が全て終了しました!三ヶ月以上ありましたが、振り返るととても速かったように感じます。期末テスト期間は12月16日から始まり、各クラスごと時間が決められています。僕は中国語しか期末がなく、あとはペーパー2枚とproblem set1つです!と言うと少ないように思えますが、何だかんだ結構大変だと思います。宗教&SFのペーパーはウルトラマンにおける宗教の取り入れられ方について書いています。
↓ペーパーのために借りた本たち。一度に100冊4ヶ月借りられるのは大きいです。Yaleにあるウルトラマン関連の本は現在ほぼ全て僕が所持していると思われます。
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さて、今日はAstrophysicsの今学期最後の授業があり、テーマは大学院についてでした。Astrophysicsの大学院生が受講している学生よりもたくさん来て、教授とともに大学院の様子やアプリケーションについて教えてくれたので、そのことについて書きたいと思います。授業とは関係ない話題でしたが、大学院について詳しく聞いたのは初めてだったのでとても参考になりました。僕のようにまだmajor(専攻)や将来について何もわかっていなくても、大学院に行きたくなった時何が必要なのかはできるだけ早いうちに知っておき、後々行きたいと思った時に手遅れでないようにしておくのはとても重要なことだと思いました。
ここに書くのはアメリカの大学院、特にAstrophysicsやPhysicsに限った話です。PhDを目指す場合、基本6年かかります。最初の2年間は授業ベースでマスターを取り、その後3年間は研究室に入り研究し、論文を書きPhDを獲得し、最後の一年の間に仕事(ポスドク、教授職など)にアプライします。それぞれの時期の自由度は大学院や研究室によってかなり違うようですが、Yaleの場合は最初の2年はかなりたくさん授業があり大変で、学部の授業のTA (Teaching Assistant)も必ず務めなければなりません。その後は急に自由度がかなり高くなり、自分で情熱を持って、自己管理で研究することが求められます。PhDの場合一種の仕事なので、6年間ずっと給料をもらえます。給料は、YaleのAstrophysicsの場合年300万円くらいのようです。

アプリケーションに必要なのは大きく分けて4つあります。研究経験や志望動機を書くpersonal statement、学部の時の成績表、GREのスコア(GeneralとPhysics)、推薦状です。この4つを総合的に判断され、その後面接を経て合否が決まります。普通は10校くらいに出願し、受かったところの面接に行き、雰囲気などを見て行く大学院を決めます。

GREとは学部でいうSATのような、皆が受ける共通のテストなようなものです。GeneralはSATと難易度はあまり変わらないとのことでした。Physicsは難しいらしいですが、過去問なども公開されており対策すれば大丈夫そうでした。2回受けられるので、3年生の春と4年生の秋に受けるのが良いそうです。学部の成績に関しては、平均が△点以上でないと応募できないというような大学もあるようですが、教授はPhysicsの成績を基本的に気にして、他の科目はどうでも良いと言っていました。

アメリカ以外にもヨーロッパ(や誰も触れていなかったがアジア)にももちろん大学院はありますが、アメリカの大学院を選んだ理由として今回来てくれた大学院生の方々は以下の4点を挙げていました。給料が高い、学術界の環境の良さ、リソースへのアクセスのしやすさ、6年。6年というのは、長いように思えて意外と短いとのことで、更に6年間を保証された、自分の好きなことを好きなようにできる仕事ということで、マスターとPhDで3年ずつで、別々でアプライしなければならないヨーロッパと比べて条件が良いという意味です。また、しようと思えば海外の大学院への交換留学などもできるとのことでした。アメリカの大学院の欠点として挙がったのは、受験料が高いということでした。ヨーロッパでは無料な成績表の郵送費、受験費など色々とかかるらしいです。

アプライする段階についてのアドバイスとしては、事前にこの人の研究室で働きたいというような教授を各大学院で見つけ、メールを送るなどしてコンタクトを取ってみること、いわゆる有名大学がどの分野でも一番だとは限らないと知っておくこと、自分がその分野の研究を絶対好きだと自信がない限りアプライしないこと、自分がアプライする分野の専攻でなくとも良いこと(例えば環境生物学専攻だったが研究経験がありAstrophysicsをしたい理由がしっかりしていたので合格した人がいるなど)、などがありました。

学部生向けのアドバイスとしては以下のようなものがありました。例え卒業後まずは働きたいと思っていても、大学院に行く可能性があるならアプリケーションの準備をしておく(推薦状を頼む、GREを受ける[スコアは5年間有効]、personal statementを書いておくなど)。これは、一度アカデミックな環境から離れると、色々情報の入手など難しくなるからです。研究の経験をしておく。これは、大学院にアプライする時、例えば子供の頃から星が大好きだったと書くより、星に興味があり学部生の時このような機会に応募し研究をしこのようなことを学び、、と書いたほうが説得力があるからです。他には、良い成績を取れるなら取るなどです。

ということで、大学院についてでした!YaleのAstrophysicsにしか当てはまらないこともあるかもしれませんが、自分の備忘録も兼ねてと思い書きました。では!