中国語の中の日本語
中国に来て早3週間、少しずつ中国語の能力も伸びて来ているような気がし、付近の日本食レストランも開拓しつつあります。勉強以外の活動も充実していて、今週末は皇帝の避暑地承徳に行ったり、中国人のファミリーと色々遊んだりしました。次の金曜日からは社会調査で一週間内モンゴルに行くので早くサングラスと帽子を買わなければと思っています。
さて、中国といえば、、社会主義、共産党、経済市場、政治、政府、、などの言葉がすぐに思い浮かびます。実はこれらの言葉は、中国語でも同様の漢字を使います。他にも、健康保険、物理、数学、、など日本語と中国語で同じ漢字を使う単語はたくさんあります。
日本語は中国由来なのだから同様の単語がたくさんあるのは当たり前、と思っていたところ、先日先生に上記の単語は全て日本から中国に伝わり定着した単語であると聞き、驚きでした。これはどういうことでしょうか?上記の言葉には共通するある特徴があります。それを考えると、、
いづれも近代以降西洋から導入された概念を表す単語。明治維新以降近代化に伴い日本は西洋の文化・思想を積極的に学び始め、その中で多くの英単語を漢字を使い訳しました。その際、音を似せるのではなく、意訳することが多く、また中国語の単語作成のルールに則りました。そして1900年代、中国が近代化する際、近い、同じ漢字圏、などの理由から大量の留学生が中国から日本に学びに行き、日本が作った新単語を通して西洋文明を学び、それを中国に持ち帰りました。それが定着し、今に至るということです。
日本から伝わった外来語は1000語程度らしいですが、特に社会や科学に関係する必須単語の多くを成しているというのは驚きです。僕はずっと言語など文化一般に関して、中国から日本という一方通行だと思っていたので、逆の方向もあったというのは驚きとともに少し嬉しいことでもありました。
と同時に、日本でも必要不可欠で日常何も考えず使っている社会、政治、と言った単語が近代化以降の思想であり西洋からの導入であるという事実にはなんとも言えない気持ちになります。自分が当たり前だと思っている事柄がいつから当たり前なのか、誰にとって当たり前なのか、それは本当に当たり前なのか、考えさせられますね。